木曽材の特徴

近世にはいると、御嶽山麓に木曽ヒノキを満載した「森林鉄道」が走り木曽ヒノキは再び木曽ヒノキは木曽の代名詞として蘇り、地場産業は全国に名高い木曽馬や伝統工芸品として結実しました。
深い木曽谷を流れる木曽川と木曽路・中山道「木曽路はすべて山の中である」

木曽地域を代表する文豪・島崎藤村が木曽の山を書き記した言葉は、その当時も今も変わりません。

木曽駒ケ岳

日本のほぼ中心に位置する長野県の木曽地域は、鳥居峠を分水嶺に、南に流れる木曽川と北に流れる奈良井川をはさんで、東に駒ケ岳、西に御岳、北に鉢盛山の主峰をはじめとしていくつもの山々に囲まれています。

この木曽谷は総面積17万ha、その74%が山林で占めており天然ヒノキでは全国一の広大なものです。
地形は、木曽川、奈良井川を大動脈として谷沿いに町村がが長細く縦断しており、JR・国道が平行して走っています。
一般に起伏がはげしく豊かな景観と清らかな水は木曽の誇りで、地質は林木の生育に適しています。
気候は表日本型で、南部は降水量が夏に多く平均気温は6~11度、1,600~4,500mmの降水量は日本一の森林資源を育んでいます。

木曽谷の人々は、山河街道は「山を守り、山に生きる」独自の暮らしと文化を育み「森林の保護」「伝統工芸の伝承」「街道・宿場の保存」の心は息づき次世代へと受け継がれています。

赤沢ヒノキ美林

 

江戸時代尾張藩により保護された5種類の樹木が「木曽五木」でした。

木曽五木とは、「ヒノキ」・「サワラ」・「コウヤマキ」・「ネズコ」・「アスナロ」のヒノキ科とコウヤマキ科の五種です。

伊勢神宮の用材林として保護されてきたため、樹齢三百年を超える大樹が多く残され木曽五木が主体となって木曽の山々は美林を形成しています。

伊勢神宮式年遷宮

木曽五木の中でも、特別な木材として「木曽ヒノキ」が最も優良な木材として古くから最高級の建築用材に用いられます。

古来より神社仏閣建築に木曽材は重用され、およそ330年前より、伊勢神宮で行われる式年遷宮(20年に1度のお宮を新たに建て替える)の際に用いる御神木として使われ、江戸城、駿府城の築城、伊勢神宮はもちろん明治神宮、湯島神宮、寒川神社に使用され続けています。

今でも「木曽ヒノキ」は、「青森ヒバ」、「秋田スギ」と並び日本三大美林のひとつと呼ばれています。
手入れの行き届いた山で育った「木曽ヒノキ」は色合い、香り、木肌、木目が良く、それらを活かす化粧的な建築用材として広く用いられております。また、構造耐力もすぐれているので住宅の柱、土台、浴室まわりにも多く使われています。

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木曽材木工芸品(長野県伝統工芸品指定)

木曽五木のひとつである「サワラ」、立木の外見が「ヒノキ」にとても良く似ており、木材にすると「ヒノキ」よりも柔らかく、加工が容易で、美しい用材が取れるのも特徴です。
軽くて水に強いという特性があり浴室、浴槽材としても多く利用され、木曽サワラのお風呂は最高の名声が昔からうたわれております。
割裂性が良いなどの性質から、桶、網代、屋根板などの加工品用材として活かされています。

また、程よく水分を吸い、ヒノキと比べると香りがきつくないので、食との相性が良く、おひつや寿司桶に使われプロの寿司職人より愛用される事が多いです。

木曽地域以外山ではのあまり馴染みの無いサワラの木ですが、木曽の山奥に行くと樹齢100年以上の巨大な天然サワラの木が、ヒノキといっしょに立っているところが見られたりします。

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