木曽産材

全国に誇る森林資源を有する木曽地域から、優良な木曽産材をお届けします

木曽地域は総面積の93%を森林が占めており、国有林の「木曾ひのき」を原材料とした製材品や木工芸品の製造が盛んに行われてきました。
加えて、近年は、民有林の「カラマツ」の資源も充実しており、地域の関係者が協力して、木曽産材の利用に取組んでおり、間伐などの手を入れた豊かな森林から、全国へ優良な木曽産材をお届けします。

木曽地域の森林

多様で豊かな樹種

資源量は、ヒノキが約3割、カラマツが約2割を占めていますが、広葉樹も3割を占めており、これらの利用に取組んでいます。
木曽地域で利用されている代表樹種について説明します。

これは、文豪「島崎藤村」の小説、「夜明け前」の有名な一説です。
木曽地域では、古くから林業が営まれており、木曽五木(ヒノキ・サワラ・ネズコ・アスナロ・コウヤマキ)が有名ですが、最近は木材の利用方法や、エンドユーザーのニーズにより、流通する木材に変化が見られています。
代表的な木材を紹介します。

木曽のひのきは、古くから木曽を代表する建築用として、文化財の修復や伝統工芸などにも利用されており、「青森ヒバ」、「秋田スギ」と並び日本三大美林のひとつと呼ばれています。手入れの行き届いた山で育ったひのきは色合い、香り、木肌、木目が良く、それらを活かす化粧的な建築用材として広く用いられております。国有林では「木曽ひのき」として、品質の高い原木が全国へ安定供給されています。

木曽官材市売協同組合 上松町 荻原 原木市場

 

ひのき構造材

木曽ひのきは、構造耐力もすぐれており、住宅の柱・土台・浴室まわりにも利用され、木曽の国有林・民有林から計画的に供給されています。

 

ひのきの使用事例(上松町庁舎)

 上松町新庁舎は、2017年から新計画の建設計画が始動し、基本計画の策定やプロポーザルなどを経て、2021年4月に竣工しました。「ひのきの里・あげまつ」を体現するシンボルとして、構造材を主体としてふんだんに「木曽ひのき」が利用されています。

 

優れた「木曽ひのき」の性能や特徴

木曽産ひのきの良さを客観的に評価するため、公的試験機関である長野県林業総合センターの協力を得て、木曽地域の製材工場で製材・乾燥した柱材40本(心持ち正角材)について強度性能試験(曲げ試験及びめり込み試験)を実施して、安全性の確認を行いました。その結果、それぞれが国の定めた基準となる強度(※1)を全て上回っていることを確認しました。

        

  曲げ試験の実施状況                 めり込み試験の実施状況

※1:曲げ試験は、針葉樹の構造用製材の日本農業規格機械等級区分材の基準強度。めり込み試験は、無等級材の基準強度。

     

   曲げ強さと基準強度                めり込み強さと基準強度

また、今回の試験体について、40本中4本が4面無節の試験体であり、化粧的価値が高いものがみられました。断面を観察すると、枝打ちの形跡が認められたため、枝打ち等の手入れが行き届いた林分の可能性が高いと考えられます。

        

4面無節の試験体                枝打ちの痕跡

今後はこれらの特徴を、工務店や消費者などに丁寧に説明しながら、品質の高いJAS製品として、全国に供給してまいります。

 

木曽ひのきのJAS工場認証の取組み

品質の高い製材品を提供するため、非住宅分野(特に公共施設等)での利用拡大に必要なJAS製材品の提供に取組んでいます。

  1. 規格 : 針葉樹の構造用製材の日本農林規格機械等級区分材
  2. 樹種 : きそひのき 正角・平角


カラマツは木曽谷の北部に多く生育しており、今後、国有林・民有林を合わせ多くの原木の搬出・利用が見込まれます。さらに、国有林・民有林が連携し、共同施業団地の設定や、土場の共同利用などを進め、消費者などのニーズに即した販売を進める必要があります。林齢80年以上の資源量は長野県が国内の45%を占め、全国トップクラスの資源量を保有しています。

木曽官材市売協同組合 上松町荻原 原木市場

 

カラマツ構造材

カラマツは今後、国有林・民有林を合わせ多くの原木の搬出・利用が見込まれます。さらに、国有林・民有林が連携し、共同施業団地の設定や、土場の共同利用などを進め、消費者のニーズなどに応じた販売を進める必要があります。

 

カラマツ内装材

カラマツは、飴色できれいな木目をいかした無垢材として、様々な内装材に使用されています。

    カラマツ羽目板              カラマツフリー板

 

 

カラマツの使用事例(木曽町本庁舎)

「木曽産材を使う」、「木曽で製材する」、「木曽の職人が建てる」を基本に、カラマツを無垢材のまま構造材として、また、ケヤキ・クリなどの風倒木をベンチなどに、クリ材をフローリングとして活用するなど、それぞれの木材の特性を活かして使用しています。

新庁舎の木材利用量のうち、構造材334㎥、4,610本の調達に支障のないよう、構造材の購入費用を本体工事に含めず、分離方式により町が木材を購入し、材料支給により施工したモデル的な事例です。

(令和3年度木材利用優良施設コンクール林野庁長官賞受賞)

 

 

「カラマツ」の特徴について

木曽産カラマツの良さを客観的に評価するため、公的試験機関である長野県林業総合センターの協力を得て、木曽地域の民有林人工林カラマツ丸太43本(梁桁材を得る為の直径約30㎝長さ4mの丸太)の強度測定を行いました。その結果、比較的強度性能(ヤング係数)が高い丸太がありました。

 

「カラマツ」のJAS工場認証の取組み

品質の高い製材品を提供するため、非住宅分野(特に公共施設等)での利用拡大に必要なJAS製材品の提供に取組んでいます。

  1. 規格 : 目視等級区分構造用製材
  2. 樹種 : カラマツ 正角・平角

(カラマツ(本州)としては、初めての認証となります)

JAS認証については、いままで紹介したとおり、木曽ひのき(機械等級区分構造用製材)及びカラマツ(目視等級区分構造用製材)をそれぞれ取得し、確かな品質の製材品を提供していくこととしています。
今後は、地元の木材、製材業の方々と連携しながら、ご注文に応じた材の提供に努めてまいりますので、お気軽にお問い合わせをいただきますようお願いいたします。

問い合わせ先:木曽木材工業協同組合(電話0264-52-5500) または、株式会社勝野木材(0264-57-2532)

 


外見が「ヒノキ」にとても良く似ており、木材にすると「ヒノキ」よりも柔らかく、加工が容易で、美しい用材が取れるのも特徴です。軽くて水に強いという特性があり浴室、浴槽材としても多く利用されているほか、割裂性が良いなどの性質から、桶、網代、屋根板などの加工品用材として活かされています。

木曽官材市売協同組合 坂下 原木市場

 

サワラの使用事例

木曽町本庁舎において、耐候性の高く木曽ひのきの木肌に似たサワラの板材を外壁の仕上げ材として使用することで、柔らかな外観となりました。

 

サワラ製品の紹介

程よく水分を吸い、ヒノキと比べると香りがきつくないので、食との相性が良く、おひつや寿司桶に使われプロの寿司職人より愛用される事が多いです。

 


木曽地域の広葉樹の特徴は、硬く、粘りが強く、また、強度があることです。山に生育している大径木を伐採・製材し、天然乾燥などを経て出荷されるため、出荷までに多くの時間を要します。木曽地域では、ナラ、ケヤキ、クリなどをはじめ、様々な広葉樹が供給されています。古くから、南部の妻籠や馬籠などでは、ロクロ製品にケヤキが使用され、また、最近では木曽町本庁舎の床材として、強度の高いクリが使用されるなど、部位や用途に合わせた利用が進んでいます。

ケヤキ

クリ

ケヤキの使用事例

伝統高原品として有名なロクロ(ケヤキ)

クリの使用事例

木曽町本庁舎の床、ベンチ(クリ)

 


木曽産材の利用拡大に向けて

今まで紹介したとおり、木曽ヒノキやカラマツの資源が充実しており、これらの地域材の販路拡大を図るため、産学官で構成する「木曽地域木材振興対策協議会」で策定した「ロードマップ2023」に沿って、その有効利用を目材し、今後は、JAS(日本農林規格)工場を核とした地域製材工場の水平連携体制づくりなど、更に地域材の高付加価値化に取組みます。


(クリックでPDFとして表示できます)

木育活動やウッドチェンジへの取り組み

おもちゃ美術館

木の魅力を伝える「木育」美術館として、館内の内装、什器の多くを、木曽の代表的な樹種である「ヒノキ」を中心に製作した、一歩足を踏み入れるだけで木の香りをふんだんに感じる「木育」おもちゃ美術館です。

  木曽おもちゃの美術館

木曽川上下流の交流や木工品(木育製品)】

木曽地域の市町村等が、木曽川の下流域と連携して木曽産材の利活用を進める仕組みづくりに取組んでいます。

〇  木曽と都市部が、木曽地域の木材関連事業者の情報や、木製品の紹介だけにとどまらず、地域間が連携することで、どのような取組が可能となるのか模索をしていきます。
〇  流域全体の皆さんが、木材を利用することでそれぞれの心身が満たされるよう、住民の声を聴いてまいります。
〇  木曽地域における木育を進めることにより、森林や木材の価値を再認識いただくとともに、子どもを中心とした幅広い世代が関わる仕組みづくりを進めます。

上記のほか、自然を活かした体験や交流にも積極的に取組んでいます。
木曽広域連合 (https://www.kisoji.com/chiikishinko/index.html)

 

製品に関するお問合せ先

木曽産材製品に関するお問い合わせは、木曽木材工業協同組合へお問い合わせいただくか、下記アドレスドを参照してください。

(製材業 19社・木製品製造業 10社 樹種別や、取扱商品別にもご覧いただけます)

  • 住所:長野県木曽郡上松町荻原1579-3
  • 電話:0264-52-5500
  • FAX:0264-52-5501
  • E-mail:kiso-m-k@minos.ocn.ne.jp
  • HP:http://www.kiso-mokyo.org